ING東大和の山下ですこんにちは。
数学の世界には未解決問題というものがいくつも存在します。
その一つに「コラッツ予想」というものがあります。
問題はシンプルで、
「どんな正の整数でも『偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足す』
という操作を繰り返すと、必ず1に到達する」
というものです。
例)10の場合
10→5 偶数なので2で割る
5→16 奇数なので3倍して1を足す
16→8 偶数なので2で割る
8→4 偶数なので2で割る
4→2 偶数なので2で割る
2→1 偶数なので2で割る
このように、6回の操作で1になりました。
小学生でも分かる問題です。
しかし、なぜそうなるのかはまだ解決していません。
だから、コラッツ「予想」なんですね。
2025年の学芸大小金井中の問題に、
このコラッツ予想に少し手を加えた出題がありました。
「3の倍数のときは3でわる
3でわって1あまるときは2倍して1をたす
3でわって2あまるときは2倍して1をひく」
例)10の場合
10→21 3でわって1あまるので2倍して1をたす
21→7 3の倍数なので3でわる
7→15 3でわって1あまるので2倍して1をたす
15→5 3の倍数なので3でわる
5→9 3でわって2あまるので2倍して1をひく
9→3 3の倍数なので3でわる
3→1 3の倍数なので3でわる
このように7回の操作で1になりました。
問題
1から2025までの数字で操作の回数がもっとも多いのは1421で、31回の操作を必要とします。
しかし、1421の他にもう1つ、31回の操作を必要とする数字があります。
それは何でしょうか。
皆さんは、どのように解くでしょうか。
何か裏技公式があったり、特徴があるものなのでしょうか。
そもそも未解決問題を加工した問題に小学生が太刀打ちできるものなのでしょうか。
こういう時には焦ってしまい、何か規則性がないか考えてしまいがちです。
私も、質問された時は一瞬、「え?分かんないんですけどー」と思ってしまいました。
そこで、発想を変えます。
そもそも1421って3でわれないよな(各位の和が8だから)。
1421÷3=473あまり2
てことは、2倍して1をひくんだから、1回目の操作の後は2841になるな。
そういえば2倍する操作がもう1個あったな。
1421の1つ後の数である1422は3の倍数だから2倍できないか。
じゃあ1つ前の数である1420は?
1420は3でわったら1あまる数だから
2倍して1をたしたら1回目の操作の後は・・・2841じゃん!
てことは、そっから先は1421の時と同じになるはずだから、
もう1つの数は1420か!
これは、理科の実験に似ています。
なぜか原理は分からないけれども、すぐ近くの数字が答えになることを発見できた。
理科では、その後になぜそうなるのかを考えていくことになるのですが、
これは入試問題ですので、答えを出すことが最優先されます。
中学入試にも高校入試にも、いわゆる裏技公式というものが存在します。
その公式を使うとたちどころに答えが出てしまうという便利なものです。
しかし、私はあまりこうした公式を教えることはありません。
逆に、上に書いたように手を動かすことを強調します。
図や表やグラフを書いているうちに、何かに気づくことがあるためです。
また、難しい学校ほど、裏技公式が通用しないことが多いです。
裏技公式に気づき一瞬で答えを出す デジタル思考
書きながら答えに少しずつ近づく アナログ思考
と、自分の中でネーミングしています。
どちらも大切な考え方だと思っています。
具体的な数でたとえてみる
近くの数字から考えてみる
このように、身近なところから掘っていくと、
案外浅いところに答えが眠っていることがあるんですよね。
何でもかんでもデジタルにすればいいってわけではない、てことですね。
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